企業概況ニュース 掲載 「人事・備忘録」 第十五回 『退職・転職トレンドの終焉 (続き5)』

過去2回、6月8月号の「人事・備忘録」では、企業は「大退職時代」への対抗策として昨年末から今春にかけ新規採用者や現従業員の給料レベルを大きく底上げするも、それが給与額に見合った能力のないことや在宅勤務で手を抜くことを覚え以前の勤務量にまで戻せないなどの問題を皮肉にも露呈させることとなり、企業側の不満が高じて囲い込んだ従業員を辞めさせたいと思い始める逆転現象に(一部)転じたこと、それがため懲戒解雇に関する相談が多く寄せられていることをお伝えしました。そしてその後に「退職・解雇」を取り上げる予定が、大規模人員削減の事例を紹介する前振りが長くなってしまい本題に入れず今号へと至った由。

 先ず実情をお伝えしますと、労働統計局発表の数値では6月⇨8月のそれぞれの消費者物価指数/失業率の推移は対前年比4.8%/3.6%⇨3.7%/3.8%と出され、消費者物価指数は落ちたが対する失業率は今春から少しずつ上がり続けており、数値3.8%は今なお低いと言えども8月の失業者数が51万4000人と出た一方で雇用者数が18万7000人いたことで、ある程度相殺された面があります。また企業側は人員削減の主な理由を「来るリセッションに備えて」としており、加えて従業員の職務遂行能力および遂行量に不満を覚える企業が増えだしたという冒頭で触れた現状況を鑑みるに、景気の先行きはかなり不気味といえます。

 ここから本題に入ります。企業に勤める従業員が退社(退職)する理由を大別しますと、①自主退社②企業側理由による解雇③従業員側理由による解雇④契約満期による解雇の4点が挙げられます。順に①「自主退社(自主退職)」は言わずと知れた従業員自らが職を辞したいと申し出て退職すること、②「企業側理由による解雇」は売れ行き減や利益損失が出た際、または事業内容を大幅に見直したり事業撤退する際等に伴って特定の職務ポジションがなくなること及びグループ企業への転籍で自社所属の形を解くこと、③「従業員側理由による解雇」は不品行や違法行為などの服務規程違反や能力不足の場合に辞めて貰うこと、④「契約満期による解雇」は期限付き雇用契約を交わし満期を迎えた際に次期更新しないか従業員自身が更新を断って辞めること。これら①〜④の他にも、⑤一定年齢に達しての定年退職や、⑥亡くなられての辞職扱いのケースもあるのですが、これら⑤⑥は①〜④の幾つかに該当するとも該当しないとも言えます。理由は米国では定年退職制度は一部例外が存在するものの、年齢差別と捉えられてしまうためです。

 以上それぞれのケースにおける企業側の注意点は次号で詳らかにしていく予定です。

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